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光の園で働く職員の声
「東日本大震災が、人生の転機でした。」

 

―――光の園町田に入社した経緯を教えてください。

 

小豆畑:高校生の頃から教員か、介護の仕事のどっちかと決めていて教員になろうと思って神奈川県の大学に入学しました。ところが東日本大震災があってすぐにでも働かないといけない状況になってしまったんです。私は出身が福島なんですけど、そのときは一人暮らしをしていたので働かないといけないと思って仕事を探していました。最初に入ったのは地図の会社でした。

 

―――東日本大震災が、大きな転機になったんですね。でも最初は地図会社に入ったんだ(笑)随分と介護とは離れた業界にいたんですね。

 

小豆畑:当時はCAD(立体的な図面をつくるソフト)とか使っていました(笑)。でも、どうしても夢を諦めきれず介護企業に転職しました。大手で数年働いて現場の仕事からデスクワークが多くなり、職場も住んでいるところから離れた事業所になった時に、介護の仕事をするならどうゆう所がいいか改めて考えてみたんです。自分の中での答えとしては、「現場に入りたいというのと、この仕事をやっていくなら職場が住んでいるところから近い方が良いと思って、光の園町田に入社することになりました。

 

―――では、最初から介護の仕事に就きたかったのですか?若い子にしては珍しくないですか?

小豆畑:もともと福島育ちで、小学校の全校生徒が二十数人しかいない田舎だったので地域密着型の暮らしが好きなんです。(小学校の)学活の時間は、校外に出て地域のおじいちゃん、おばあちゃんのところに行って農作業を教えてもらっていました。だから毎日おじいちゃん、おばあちゃんと接しているような環境で育っているから、それが当たり前で、それを仕事にするのも自分の中では自然な流れって感じです。

 

ちょっと信じがたい、メッチャ楽しい!介護の仕事

 

―――なるほど、そうゆう生活環境が小豆畑さんのような人を生むんですね。では今の仕事について教えてください。

小豆畑:はい、私はグループホーム光の園町田で介護職をやっています。日勤だと9時から18時までで、夜勤だと18時から朝9時までです。夜勤は月5回くらい入ってます。

 

―――介護の仕事って、実際にはどんな内容なのでしょうか?

小豆畑:朝、出社してまずあいさつします(笑)。利用者さんが、それはお部屋にいても、リビングにいても必ず顔を見せにいきます。それから朝のお茶を出して、血圧が高い人などの健康チェック(再バイタル)ですね。その後は自由というか、ここは利用者さんのおうちなので家族のように過ごしていますね。

「メッチャ楽しい光の園の介護事情」

 

―――特に辛いという印象もなく?私はよく知らないのですが一般的な介護のイメージとして、辛いこともあるのかなって思っていますが…。

 

小豆畑:メッチャ、楽しいですよ。

 

―――メッチャ、楽しい?意外な回答ですね(笑)

 

小豆畑:もともと老人ホームにも小さい頃から行っていたし、そこまで悪いイメージもありませんでした。ここに来て、より楽しい感じです。

 

―――その楽しさを教えてもらえますか?

 

小豆畑:説明するのは難しいんですけど、自分のおウチに帰ってきた感じです。雑談しながら洗い物をしたり、外にドライブをしたり、おやつを食べながらお話をしたりとか・・・。私自身が安心もするので、何をやっていても楽しいんです。

 

―――本当に普通に生活している感じですね。小豆畑さんにとっては、ここはいい雰囲気なんだ。

 

小豆畑:もう、おウチです(笑)出勤して毎朝、帰ってきたぁって感じです。

 

―――光の園町田の「ゆっくり、楽しむ」という理念どおりの人なんですね。この先の目標とかあるんですか。

 

小豆畑:今は介護福祉士の資格はとりたいです。できるだけ長く現場にいたいですね。事務職より現場です!

 

―――お話を聞いていると、仕事の感覚がない仕事ですよね。それが読者に伝わるといいんですけどね。伝わるかなぁ?仕事は大変じゃないの?

 

小豆畑:う~ん、大変じゃないですね。でも一般的にトレイのお世話に抵抗がある人っていらっしゃいますね。

 

―――あぁ、トイレですね。確かに、そうゆうイメージあります。小豆畑さんは抵抗ない?

 

小豆畑:うちが農家で、牛なども飼っていたので。排泄物などへの抵抗がないんですよ。全然平気です。

 

―――なるほど生まれ育った環境って大事ですね。ではホームの雰囲気はどうですか?

 

小豆畑:もともとの性格上、年上の方々と話が合うんです。

 

―――利用者さんとは、どんな話をしているんですか?

 

小豆畑:利用者さんにもよりますが、趣味の話だったり、何に悩んでいることだったり。例えば、ご家族の方がまだ結婚していなくて「誰か、嫁はおらんか?」って言われたときに「行く!私でよければ!」とか、編み物をしている方が「弟子がいない」と悩んでいたら「私がなるから一緒にやろうよ!」という感じですね。

 
「ターミナルケアから受ける不思議パワー」

 

―――明るくて、前向きでよいですね。では、今まで働いてきて、思い出に残っていることとかありますか?

小豆畑:亡くなっていく利用者さんを看取ることですかね。ターミナルケアをしていると、私も頑張らないとなと。亡くなっていった利用者のためにももっと頑張らないといけないんだな、って気持ちにさせられます。

 

―――もっと頑張るというのは、具体的にどうゆうことでしょうか?

 

小豆畑:ターミナルケアになった時に、私はこの人のために何をやってあげられたのかな、という自問自答をして今後悔するんだったら、今いる利用者さんにもっと深く関われるんじゃないかなって。人生の最期の瞬間に問う、私は何ができたのか。

―――ターミナルケアって、小豆畑さんにとって何ですか?

小豆畑:私にとって一番、生きる力であり、すごいエネルギーを感じ取ります。こんなに生きてきたんだなって受けとめると、それがエネルギーになって”ぶわぁっ!“って、言葉で表せないエネルギーを感じます。

―――人生の最期の瞬間に立ち会うだけでも、それを感じられるんですか?

小豆畑:その中で私はちょっとしか関われていないんだなぁって。もうちょっと何かできたら良かったのかなって毎回気づかされます。

 

―――毎回、それに気づいて、どうゆうところを変えていこうと思ってるの?

 

小豆畑:どこが痛いのかとか。利用者さんの痛みを(言葉を)聞くのではなくて感じ取れるようになりたいなって。聞いても、それが本当に正しい答えが返ってきているのか、違う言葉になって返ってきているのかというのがあるので、違う言葉が返ってきた時でも、本当は何を言いたかったのかを感じ取れるようになりたいなって。

 

―――そのためには何が必要だと思います?

 

小豆畑:本当に関わるしかないですよね。みんなそうですけど自分から関わりをもっていかないと分からないです。そうすることで徐々に分かってくることがあるんです。ずっと「アー」とか「はーい」とかそれくらいの言葉しか話せない利用者さんがいらした時に、最初私はその方が何を言っているのか全く分かりませんでした。何を伝えたいんだろう?って。でも何かを訴えているのはわかるので「これですか?」「今度はこれかな?」とか色々やってみて、それでも全部違うから「何だろう?」と思いました。私は分からないんですけど、他のスタッフは「これでしょ!」という感じにコミュニケーションできるのがすごいと思って、もっと関わらないとダメだなって。

―――他の先輩スタッフはどうしてそれが分かるの?

小豆畑:毎日、接して表情とかも読み取ったり、しぐさとから判断したりするんですよね。お腹のすいた「わー」であったり、寂しいから「わー」と言っていたり、トイレに行きたいから発してみたり、色々なので毎日関わらないと分からないですね。最初はそうゆう感じです。

―――最初は周りのスタッフはできて、自分はできないとなると小豆畑さんの中で葛藤とかあったの?

小豆畑:葛藤なかったですけど、分かりたいって想いは常にありました。どうやったら分かれるのかなって考えて、利用者に接するしかないし、周りのスタッフの対応を観察してました。今、このスタッフはどこを見て判断したんだろうなとか、そんなことをやりました。光の園の団結力は、他に負けない!

 

―――話は変わりますが職場の雰囲気はどうですか?

 

小豆畑:めっちゃ良いと思いますよ。他にはない団結力といか、チームワークというか、そうゆうのがあると思います。常に合言葉のように言っているのが「3人で9人を見るんじゃなくて、6人で18人を見ているんだから、どこにいても、どっちも状態を把握しているべき」ということです。常に助け合えると言いますか、誰かがドライブに行ってスタッフが少なくなっても連携がとれますし、イチから利用者さんの状態を言わなくても、次何をすればよいのか把握できていることですね。あとマイナスな言葉少ないですね。「これダメ、あれダメ」ってあんまりないです。だから温かい雰囲気が伝わると思います。

 

―――2年経った今の目標を教えてください。

 

小豆畑:年1回、評価シートというのがあるのですが、それにホーム長から「自分だけが楽しんでいる時があって、利用者さんや他のスタッフが付いていっていない時があるからちゃんと足並みを揃えられるようになりなさい」と指摘されたことは意識しています。

 

―――休日は何をしたりしてるんですか?

 

小豆畑:寝てます(笑)寝てるか、ホームでのイベントが近くなったら、買出しや下見にいってます(笑)今は夏休みのイベントの準備で、「あ、そろそろ業務スーパーに行こうかな」って感じです。

 

―――え?仕事じゃないですか、それ。いまどきの21歳の若者はそうなんですか?仕事中心というか、仕事が仕事って感じではないんですね。本当、小豆畑さんは介護が天職だと思います。ありがとうございました。

 

小豆畑:ありがとうございました。

 

(インタビュー日時:2015年10月)